ユートピア*湊かなえ…★3.8
本のあらすじ(概要の概要)
田舎に住む主婦たちが田舎に憧れてやってきた芸術家達と交流する中で、人間関係や自分の人生に悩む内に過去に起きた殺人事件の真相が明らかになっていく、話です。
ものすごく簡単にはしょっています。
実際の内容はもっと色んな事項が面白く絡まっていますが、わたしの文章能力では上手く表せそうにないので省略致します。
本を読んで思うこと…
「人と関わるということは、なんて面倒くさいんだ…!! 」
この本を読んで思ったことは、
女は怖い…田舎は怖い…人間面倒くさい。
です。笑
もちろんろくでもない男性も登場しますが、女同士の世界特有の悩みに苦しめられた過去を思い出しました。
湊かなえ作品は、登場人物の心理描写をそれぞれ主観的に描くことで物語を進めていくものが多いですよね。
その為、読み手をぐっと小説の世界に引き込む力が強いように思います。
今回の作品も複数の登場人物がそれぞれの思いを抱いており、もつれ合い、絡み合って物語を完結に進ませる流れになっています。
やはり特に女性特有の人間関係に対する心理描写は上手くやけにリアル。現実よりも現実的で、口にする言葉には裏の気持ちが隠されてる事が多いです。
- 始めの内は賞賛していることでも、段々と鼻に付き嫌みや妬みを影で撒き散らす。
- 事実と嘘を入り混ぜながら悪意を悪意と思わずに噂を広めていく。
- 相手の心情を分からず発言し、知らぬ間に傷つけ嫌われてしまう。
書いてたらげんなりしそうな人間の嫌な面がたくさん出てきます。
子供ですら女の嫌な一面を垣間見せています。
読んだ後も爽快感はありません。
だけどそれが面白いんです。
最後の最後まで飽きることなくスムーズに読みすすめられます。
湊かなえ作品は普段小説を読まない方にもおすすめ!
作品中に伏線が散りばめられていて、物語を読み進める内にそれがきちんと回収される、そして結末が予想を大きく裏切る展開になる。
そして一度結末まで読みあらすじを把握した後、もう一度読み直してみたくなる。
そんな魅力が湊かなえ作品にはあります。
だから本屋で新作を見つけたらワクワクしながら本を手にレジに進んでしまうんですよね。
周りにさくっと読める小説を探してる方がいたら、お薦めしてみてほしい作品です。
あなたが今生きている場所は、あなたにとってユートピアですか?