ミッドナイトスワン
https://www.google.com/amp/s/eiga.com/amp/movie/92113/
YouTubeで925秒の予告を観て、何とも言えない独特の作品の世界観に圧倒されて映画館へ観に行くことを決めた作品。
感想・レビュー
「うちらみたいなんはずっと一人で生きていかないけんのじゃ。
強うならんといかんで」
凪沙が一果を抱きしめながら言ったこの言葉。
この言葉のインパクトが凄くて今もまだ胸の中にしっかり残っています。
この作品を観て感じたことは、草彅さんが演じる凪沙がとても美しいということ。
様々な問題や愛や母性等のテーマがある中で、とにかく凪沙が美しくて強いということが一番印象に残っています。
すごく良い作品でした。
草彅さんにしか演じられない凪沙だったと思います。
本当にすごい俳優さんなんだと改めて思いました。
凪沙は立ち振る舞いがとにかく綺麗。
歩いても、座ってても、立っていても、そこにいるのは女性の凪沙そのもの。
ああ、わたしもこういう美しい女性になりたい。
素直にそう思いました。
おじいさんにバレエを褒められて、嬉しそうに一果の肩を抱き寄せて微笑む凪沙
ハニージンジャーソテーやサラダを食べる一果を愛しそうに見つめる凪沙
罵られる事は分かっていながら、女性として母親として凪沙を実家まで迎えに行き「一果のお母さんにもなれるのよ」と言う凪沙
どれも暖かく優しい、紛れもない母親の愛を感じました。
一果の実の母親は本当になんかもうなんなの?っていう感じです。
血が繋がってたら自動的に親子になるわけじゃない。
子供を殴ったり自傷させておいて凪沙をバケモノ扱いするなんて自分勝手すぎる。
一果がコンクールのステージで「お母さん…」と助けを求めるシーンで、
わたしはきっとあれは凪沙のことを呼んだんだと思います。そうであって欲しい…
それか、凪沙が一果を実家に迎えに行った時に、一果が「お母さん」と凪沙を呼んで一緒に東京に帰る流れを期待してた。
現実実の親が隣にいるのにそれは難しいのかも知れないけど、凪沙への思いを言葉や態度に示してくれていたら、凪沙の運命は変わっていたのかも知れない。
そして出来れば元気な凪沙がアメリカで一果のステージを微笑みながらみる、みたいなハッピーエンドがよかったな。
凪沙には幸せに生きてほしかった。
予告でなんとなく分かってはいたけど、誰かが亡くなる展開はやっぱり苦手…
それでも本当に良い作品でした。
これはトランスジェンダーの話でも、虐待の話でも、女性=母性という話でもなくて、
凪沙と一果の愛の物語なのだと作品を振り返ってみて改めて思いました。
今度ハニージンジャーソテー作ろう(人 •͈ᴗ•͈)