ベニスに死す
去年イタリアに行ったときにベネチアにも行き、街の美しさに驚きました。
それからイタリアを舞台にした映画をよく見るようになり、有名なこちらの作品にようやくたどり着きました。
ベニスに死す。
本当にタイトルの通りです。
美しく物悲しい作品でした。
感想・レビュー
ベネチアで主人公が出会ったのは、美しすぎる位美しい少年、タージオ。
いやほんとうに綺麗な顔。
美しくて儚げで、少年らしさもまだ残っている危うさもあって、主人公が一気に心を奪われてしまうのも分かります。
どんな風に話が進むのかな?と思いながら見てましたが、疫病が絡んできてなんとなくタイトルから流れを察しました。
そういえば主人公の尋常じゃない汗や、街に漂う異常な匂い。
あれは疫病のためなんですね。納得。
映画を見ながら何回も
「タージオに話しかけなよ!恋人は無理でもたまに言葉を交わす仲になれたらいいじゃん…!」
とやきもき。笑
普通に考えたら知らない人がああやってどこに行っても着いてくるって怖いけど、タージオは視線に気付いていて楽しんでる感がありました。
まだ少年なのに末恐ろしい。笑
後半は病に冒された主人公が明らかに衰弱した状態でビーチに座り、タージオの綺麗な後ろ姿を見ながら命尽きてしまいました。
タージオに出会わなかったら、タージオを探して街を不用意に出歩いたりはする事はしなかったでしょうし、疫病にはかからなかったかも。
タージオの美しさに心を奪われたことで命も奪われてしまったとも思えます。
美しいって尊いけど時に恐ろしい。
ベネチアの美しい風景と美少年。
それと対称的に少しずつ死に向かっていく主人公。
美しさが絡むことで余計に「死」というものが何故かリアルに感じられました。
タージオがベネチアを去るその日、タージオを見ながら死を迎えた主人公。
もはやタージオの美しさに虜になって死ぬことは運命だったのでは、と思えました。
ベネチア、美少年、死。
130分と長編でしたが、世界観に引き込まれてあっという間に見れました。