女王陛下のお気に入り
https://www.google.com/amp/s/eiga.com/amp/movie/89555/
近くに座ってた外国の方はちょこちょこ笑い声をあげてましたが、男性は数人途中で席を立っていました。
男性受けは悪そう…笑
王室の話ですが、決して品が良い映画ではないです。カップルで見るのも気まずそうだなあ…笑
感想・レビュー
女、怖いーーーー!!!!!!!
という感情がわき出ました。笑
女というより厳密には、人間、そして欲。
それが怖い。
初めの頃はみんなに虐げられるアビゲイルが可哀想で、サラの侍女になれた時は嬉しくなりました。
が、女王の部屋で勝手に裸で昼寝してた辺りから
「え?うっかりそんなことする?賢そうだしこんな意味分かんないことするような感じじゃないのに…」
となり
その夜女王とアビゲイルがベッドで眠ってる所を見たサラが部屋を出ていく時に、アビゲイルが目を開けた時も
「見られて焦ってる風でもない…。ま、まさか、、」
とまだアビゲイルを信じていましたが
サラに解雇と言われたアビゲイルが自らの顔を本で殴ったときにやっと気がつきました。
これ、アビゲイルの作戦だ…と。
サラよりもっと権力がある女王に気に入られて、貴族の地位や権力を手に入れたかったのか。。
サラのおかげで下働きから侍女になれて良い暮らし出来てたのに恨みなんて何もないサラ蹴落としちゃうんだ…恐ろしい。
きっとどこの国でも性別はどっちでも、日本だって大奥で、欲望を満たすために同じような裏切りがたくさんあったんだろうな。
現代だってたぶんどこかでこういう事があってるんだろうな。
それで勝ち取ったもので幸せになれるかどうかはまた別の話で。
サラを追い出して女王の一番近くにいれるようになったアビゲイル。
貴族の男と結婚して貴族の地位も勝ち取って。
でも全然幸せそうではありませんでした。
品もどんどん無くなって、知性も感じられなくなっていきました。
周りの人間のことは道具としか見てないので、旦那の事も愛してないし、女王の事も別に愛してない。
偽物に満たされたって本当の幸せには辿り着けない。
何が自分にとって「本物」で、何を本当に求めているのか。
上を目指すなら、目指すからこそきちんと見極めていかなければ欲に溺れて不幸になるんだなと改めて思いました。
女王はもう最初から最後まで生きているのがしんどそうでした。
背負っているものが大きくて、孤独感や絶望感が常に取り巻いていて。
たぶんサラの事もアビゲイルの事も本当に愛してる訳じゃなくて、だけど愛されたくて、結果サラではなくアビゲイルを選んで手元に残しました。
サラが去ったことはアビゲイルと女王が望んだ結果だったのに、最後は二人とも全然、全然幸せそうではなく、もうどうしようもない、どうしたらいいか分からない感がすごかった…
選択を間違えたらこんな結果になるかもしれないと思うと、人生は日々選択ですから丁寧に生きていかなければと思わされました。
アビゲイルを侍女にしたせいで散々な目にあわされたサラですが、自分の芯をしっかり持っていて、強くて美しくて、わたしはとっても好きでした。
サラは一見全てを失ったようにも思えますが、最後は女王やアビゲイルよりもずっと穏やかで夫もそばにいて(国外追放にはあいますが)、全てを手に入れているはずの二人よりも幸せな未来が望めるのでは?と思います。
全部見終わって、タイトルの「女王のお気に入り」が物語の全てを物語っているんだと気付きました。
女王のお気に入りに、なることは本当に幸せなことなのか??