THE GUILTY/ギルティ
引用元:https://guilty-movie.jp/sp/
最低限のキャストとスタッフで作られた作品。
緊急通報司令室で働く主人公アスガーがとある女性、イーブンからの一本の電話を取ったことから話が進んでいきます。
ストーリーの焦点を絞って展開していく為、とてもシンプルな流れな分作品の世界にかなり引き込まれました。
感想・レビュー
BGMは一切無く、淡々とアスガーと電話の向こうにいる人物のやり取りが描かれていてかなり臨場感溢れていました。
舞台はアスガーが行き来する二部屋の司令室のみ。
ほとんど全てをアスガーだけのシーンで物語は進んでいきます。
アスガーがあまりに仕事に一生懸命過ぎて結構暴走しがちで見ていてちょっとハラハラ…
誘拐犯に直接電話して「警察だ」と言っちゃうのってだいぶ危険ではありませんか…!?
きっと過去に犯してしまった罪も、この熱さが原因でそうなってしまったんじゃないかな…
やる気がないよりは良いかもしれないけど冷静さってやっぱり大切…
電話の向こうの相手の姿や状況は見えず、聞こえてくる声や周囲の音から様々なことを判断しなければならない状況で
アスガーが判断し動いたことが結果裏目に出てしまって苦しむ姿にこっちも
「いや、分かるよ…誰でも同じように思うし言っちゃうよ…」
と思ってしまうくらいリアル。
イーブンが蛇の話をし出して
「わ…そういうこと…!?!?」
とそれまで誘拐の被害者だと思っていたイーブンが、実はそうではなかったことにやっと気が付きました。
これは完全にふいをつかれた…
よく考えたら確かにイーブンを誘拐したはずのミケルがやたら警察からの電話に出るなとは思ってました。
あとイーブンの携帯を奪わずに一緒にトランクに閉じ込めたり。
それに取り乱すイーブンちょっと普通じゃなかった。
けど誘拐されて命が危ないってなったらそうなるものだよなって勝手に先入観で判断してしまってました。
ミケルよ。それならそうとなんで言ってくれなかったんだ…
殺人と誘拐事件だと疑ってたことは分かってたはずなのに…!
と思わずアスガーと同じ心境になってしまうくらいの臨場感。
隠していた過去の事件の真実を司令室の皆に聞かれてしまいましたが、だけどなんとかイーブンもミケルも命は助かったことだけは救い…
最後にイーブンは私用の携帯で誰かに電話をかけるシーンで終わりました。
その相手は誰で、何を伝えたかったのか?
元相棒のラシッドに「全部知られてしまった。法廷では真実を話す。」と伝えた?
こうなったら家を出ていった妻にもちゃんと真実を伝えようと思ったのか?
真相は分かりません。
少ない情報で、一方向から決めつけて物事を考えるのはとても危ういことなんだと思いながらエンドロールを迎えました。
全体を通してかなりシンプルな構成。
だからこそごちゃごちゃ色々考えずに見れて、バックボーンなんかも把握しやすかったです。
リアルを求める方にお薦めの作品です。