ウトヤ島、7月22日
ノルウェーで実際に起こった事件を元に撮られている作品です。
実際に大勢の被害者の方がいる事件のためブログに投稿するかどうか悩みましたが、この作品を通して改めて色々な事を知ったり考えたりするきっかけが得られたので率直に感想を残そうと思います。
感想・レビュー
手持ちカメラでワンカットで撮られた作品。
その為とても緊迫感があり、まるでその場にいるかのような錯覚に陥り銃声と犯人の影に怯えながら見ました。
この映画は被害者が主役であり、被害者側から見た事件を再現しています。(登場人物は全て架空です。)
その為、犯人がどんな人物なのか、何故このような行為に及んだのかなどは一切映画では分かりません。
その場に実際にいた被害者たちと同じように、一切犯人に関する情報は得られないまま突然の銃声や被害者の声で事態を想像し把握するしかない状況となります。
まさにパニック状態…そうなりますよね…
逃げ惑う人々を淡々と狙う銃声に、
誰にもこんな風に人の命を奪う権利なんてないのに、なぜこんな不条理なことをする人間がいるのか。
と強い怒りや憤りを感じました。
被害者たちは情報量が少ないため映画内では、犯人は複数では?と思われてましたが、実際には単独犯だったようです。
犯人は事件を起こして政治的な思想をアピールする目的もあったようなので、その欲望を叶える形になってしまわないようにこの作品ではあえて犯人の背景に触れなかったのだろうと思います。
わたしはこの映画を見てからこの事件について知りました。
それから事件の詳しい全体像やノルウェー社会のことなども少し調べて知るきっかけになりました。
ノルウェーでは死刑や終身刑は存在していないため、犯人は環境が整った刑務所であと数年過ごした後出所するようです。
なんだかとてもやるせない気持ちになりました…
今でも当時のトラウマを抱えて生きている人たちがたくさんいらっしゃいます。
犯人が服役期間を通して自分が犯した罪の重たさにきちと気付いてい悔いていることを強く願います。